エンジンオイルフラッシングは車検時に必要?
車検時によく勧められる項目としてエンジンオイルのフラッシングがあります。
フラッシングとはエンジン内に蓄積するカーボンなどの汚れを取ることを意味します。
具体的にはエンジンオイルを一旦抜き取り、専用のフラッシングオイルを入れ、エンジンをしばらく動かし、フラッシングオイルを捨て、新しいエンジンオイルを注入します。
イメージ的には食洗器の庫内洗浄や洗濯機の洗濯槽洗浄をイメージしてもらえると良いかもしれません。
エンジンの性能低下を抑える効果が期待できると言われています。
このように書くと「フラッシングっていいことなんだ!」と思い込まれる方もいるかもしれませんが、現実にはフラッシングの効果は賛否両論があります。
フラッシングは効果があるのか?
そもそもフラッシングは賛否両論があるメンテナンスです。
- エンジン内をきれいにすることにより、エンジンの調子や燃費などにいい影響を与える
- フラッシング後エンジンノイズが小さくなったり、アクセルの反応が良くなるなどの体感的な差がある
という肯定的な意見と
- フラッシングオイルがエンジン内のオイルシールなどを痛めてオイル漏れを誘発するリスクがある
- 古い車や走行距離の多い車は長い期間エンジン内堆積したカーボンがある状態で使われておりその状態で馴染んでしまっている。カーボンを落とすことでバランスが崩れ調子が悪くなるリスクがある
という否定的な意見もあります。
どちらの意見を信じるかはオーナーさんがご自身で判断すればいい事です。
ただ、本ブログの主旨は車検費用の節約ですのでその視線からアドバイスをさせていただくとすると下記のようになります。
フラッシングと車検は関係がない
ということです。
オイル交換同様、オイルのフラッシングも車検とは一切関係がありません。
業者さんにすれば少しでも売り上げを上げたいので、車のために良いですよと勧めてこられますが、車検や24ヶ月点検とは一切関係はありません。
フラッシングよりもエンジンオイルの管理の方が重要
そもそも定期的にエンジンオイルとエンジンオイルフィルターを交換しているエンジンにはフラッシングは必要ないと考えていいでしょう。
根拠としては
取扱説明書やメンテナンスノートには記載がない
自動車メーカーから渡される取扱説明書やメンテナンスノートにはオイル交換の時期やオイルエレメント交換の時期は記載されていますが、フラッシングについては記載されていません。
言い換えると必要とされていないメンテナンスです。
車検だからするメンテナンスではない
そもそもオイルの管理は走行距離でするもので車検だからするものではありません。
定期的にオイル交換、エレメント交換をしれいれば十分です。
- その中でオイルの汚れが早い
- オイルの劣化が早い気がする
など気になる方はフラッシングも検討する価値があると言えます。
車検のついでにしておきましょうか?は完全に自動車屋さんの都合です。
フラッシングにはリスクもある
フラッシングを否定する気はありませんが、カーボンなどを溶かす成分が入った薬剤が混入されたオイルをエンジン内に入れることはリスクを伴います。
副作用がない万能薬ではないのです。
フラッシング作業後エンジンの調子悪くなっても、フラッシングが原因と証明するのは難しいので泣き寝入りするしかありません。
メンテナンスの基本はオイル交換
繰り返しになりますが、エンジンのメンテナンスの基本はオイル交換とオイルフィルター交換です。
それがしっかり出来れいればフラッシングは必要ないとも言えます。
オイル交換を長期間サボっていた、エレメントを交換していなかったなど気になる点がある場合は行っても良いでしょう。しかしリスクは覚悟で。
そこからはしっかり走行距離でオイル交換とオイルフィルター交換をしましょう。
車検だからと定期的にするメンテナンスではそもそもないということをお忘れなく
関連記事:車検でエンジンオイル交換は必要?