車検とブレーキパッドの交換の関係
ブレーキは言うまでもなく車を止めるための装備です。
安全のためには走るより重要な仕組みです。
多くの車で採用されているディスクブレーキはブレーキローターと呼ばれる円盤状の金属板に摩擦材で出来たブレーキパッドを押し付ける摩擦の力で車を停止させます。
ブレーキパッドは使用するごとにすり減り、定期的な交換が必要な部品です。
車検時にブレーキパッド交換を勧められたら?
車検でブレーキパッドが減っているから交換しましょうと言われる事がありますが、ブレーキパッドの残量と車検に明確な指標はありません。
車検に通るかどうかは「ブレーキを踏み、一定の制動力がある」かどうかです。
交換を勧められるのは「ブレーキの交換時期」が近い又は過ぎている、安全のために交換しておきましょうと言う意味です。
ブレーキは車を止めるための大切な装置です。
安全に車を止める事が出来なければドライバーはもちろん、周囲の車や歩行者まで巻き込む凄惨な事故を起こしてしまうリスクがあります。
ギリギリまで使うというよりは余裕を持って交換することが望ましいと言えます。
ブレーキパッドの交換時期は?
ブレーキパッドは自動車を使用する環境により寿命が大きく変わる部品です。
- 渋滞が多い
- ストップ&ゴーを繰り返す
- 車に人や荷物を載せる事が多い
などブレーキの使用頻度が多い使い方をしていると寿命が早くなります。
- 郊外で信号が少ない
- 高速道路をよく利用する
- 一人で乗る事が多い
などブレーキを使わない乗り方が多い車は長持ちをする傾向にあります。
環境以外でもギヤチェンジで減速が可能なマニュアル車はオートマチック車と比較するとブレーキに頼る割合が少ないため交換サイクルが長くなると言えます。
大手自動車メーカーでは30,000km又はブレーキパッド残量が5mm以下になったら交換を勧めています。
そのためディーラーに点検や車検に出すと5mm以下になっていれば交換しましょうという話になります。
新品のブレーキパッドは10mm程度の厚みがあります。
5mmを切ったら注意、2mmを切ると危険な状態と言われます。
2mmを切るとブレーキからキーキー音を鳴らす摩耗センサーがついています。
音が鳴り出したら交換時期を過ぎて危険な状態になっているということです。
即交換しましょう。
交換時期を過ぎてもブレーキパッドを交換せずに乗り続けるとローターに傷がついてしまい両方とも交換になってしまいます。こうなると節約どころが余計な出費になってしまいます。
ブレーキパッドは5mmだったら交換?
ブレーキパッド残量は
残量 | 状態 |
---|---|
10mm | 安全 |
5mm | 注意そろそろ交換時期 |
2mm | 危険!即交換 |
と言われています。
車検時に「残りが3mmです。交換しましょう」と言われるとまだ納得も行きます。
しかし「残りが5mmです。交換しましょう」と言われるとまだ半分もあるのにとつい思ってしまいます。
ディーラーさんや整備工場では自動車メーカーの推奨や5mmを切ると次の車検まで持たないからもしれないという判断から交換を勧めてこられます。
しかし一般的には1万キロの走行でブレーキパッドが1mm摩耗すると言われています。
5mmあればまだ危険ゾーンまで3万キロ程度使えるとも言えます。
あまり乗らない方だと次の車検まで持つという場合もあるでしょう。
余裕を持って交換が一番安心とは解っていても、なんとなくまだ使えるのでは?と思ってしまいますよね。
ブレーキパッドの摩耗は走行距離だけでなく環境や乗り方にも影響されます。
- 新車から初回の車検で4万キロ走って残り5mmだった。約8,000kmで1mm減らしている。
- 一年前の点検記録で6mmあった、今回は5mmだったこの間で1万5千キロ走っている。
過去の点検の記録から、ご自身の使い方で何キロ走って何mm減らすかを知っておく事と判断の目安になります。
- 点検を受けていないので途中の経緯が解らない
- 中古車で買ったため、何キロで何mm減ったかハッキリしない
解らない場合は、整備士さんのアドバイスに従い交換してリセットしてしまいましょう。
繰り返しますが、ブレーキは命を乗せています。早めに交換しておいても損はありません!
ご自身で摩耗を管理して適切な時期に交換すれば良いのです。
ご自身で管理出来ないなら点検や車検時に整備士さんのアドバイスに従う事をおススメします!