予防整備のさじ加減が車検代を左右する!
車検費用は車検そのものではなく、車検時に行う整備が左右するというケースが少なくありません。
整備といっても二通りに分けて考えることができます。
- 車検のための整備
- 車検後のための整備
車検のための整備
前者は車検を通すにあたり道路を走るための保安基準に適合させるための整備です。
これをしないと当然車検に不合格になりますので避けることはできません。
しかし、車検で求められる要件はそう難しいことではなく、正しく走って、曲がって、止まること、ヘッドライト、ブレーキランプ、ウィンカーなどが正しく動作することといった基本的な事です。
古い車や距離を走った車の場合だとそれなりに劣化が進む部分もあり多少の費用はかかりますが、そうでなければ整備することろはそう多くはありません。
車検を通すための整備はそんなにお金はかからないのです。
車検後のための整備
車検は健康診断のようなものです。
あくまでその瞬間の状態を点検するだけです。
車検後のことまで保証するものではありません。
例えば、タイヤには交換の目安となるスリップサインというものがあります。
車検時にスリップサインまですり減ってなければどんなに溝が少なくても車検には通ってしまいます。車検後すぐにスリップサインが出ても車検時に合格していればいいのです。
車検で車を預かるディーラーや業者にすれば、やはり消耗したタイヤは危険ですので車検と一緒に交換しましょうという話になります。
つまり車検後も安心、安全に車を使うために車検時に消耗品を交換しておきましょうと勧めてくるのです。
これを予防整備といいます。
故障やトラブルを防ぐために前もって消耗品を交換するのは悪いことではありません。
自動車のコンディションを維持するにはとても良い方法です。
しかし見方を変えれば、まだ使える消耗品を捨てて新しいものに交換するという事になります。極端に言えばあらゆる消耗品を車検時に交換してしまえば安心ですが、当然ながら費用の負担は大きくなります。
予防整備は良い事ですがさじ加減が大事
- 車検は通るけど、数ヶ月しか持ちそうもないから交換しませんか?
- これまでの走行距離から後半年くらいは使えそうです。もうしばらく使って交換しましょう。
という風にバランスを取って考える必要があるのです。
予防整備は行き過ぎる傾向に
実際の車検では予防整備は行き過ぎる傾向にあります。
自動車屋さんからすれば車検はビジネスチャンスです。
普段は点検整備に来ないお客さんも車検からは逃げられません。
車検後も安心して車を使ってもらいたいという気持ちもあるでしょうが、車検時に稼げるだけ稼ぎたいというのが本音でしょう。
その結果、次の車検まで持たない消耗品は交換という極端な方針に行きつく業者さんも少なからずあります。
繰り返しになりますが、消耗品を前もって交換する予防整備は悪い事ではありません。
しかし、極端になると無駄が発生します。
「冷蔵庫にあるまだ食べられる食材を捨てて、新しい食材を買いに行く」
普通はもったいないなのでしませんよね?
でも車検ではそういったことが数万円単位でまかり通っているのです。